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2010,03,02, Tuesday
2010年2月19日
2月19‐21日まで三重県御浜町から国道42号を西に進みながら潮岬を回り、有田、紀の川と連続で勉強会をしてきました。 今回の勉強会で、自分の中のテーマは炭素、炭水化物の循環です。 窒素は植物にとって最も重要な栄養素と言われています。窒素、リン酸、カリ(カリウム)は植物の三大栄養素です。 しかし、窒素以上に重要なものがあります。それは炭素。でも炭素は植物は光合成により炭酸同化作用により自ら合成することができるため栄養素とは呼ばれません。 しかし、本当に一番大切なのは炭素、つまりブドウ糖です。 ブドウ糖は光合成によって作り出されるため、水、二酸化炭素、そして太陽の光が必要です。 普通は植物のまわりに豊富にある水、二酸化炭素、太陽ですが、昨年のように雨が多く日照不足になるとブドウ糖不足に陥ります。 ブドウ糖不足というと甘さが足りないというイメージですが、甘さの前に窒素とくっ付いてアミノ酸に合成されて細胞に使われたり、植物の生命エネルギーとして消費されるため、甘さとして蓄えられるのは余剰分の貯えと考えるのが正解です。 つまり、植物の生命活動の基本は光合成によってブドウ糖を作ってエネルギーとして使用し、窒素と合成されて細胞ができる。 植物のカラダの中で骨格とも言える繊維は、窒素を1とすると20-500倍以上の比率で炭素が必要となります。植物は炭素の数に基づき窒素が利用されると考えてもよいと思います。 雨が多く日照不足の天候では、ブドウ糖の産生が不足しがちな上、雨により土壌の窒素(硝酸態)は必要以上に体内に入ってくるため植物のカラダは窒素過多、炭素不足の状態となります。 この状態では過剰な窒素が病原菌のエサとなるため病気を呼ぶことになります。 窒素がもともと土壌に多すぎる場合も同様に病気を呼ぶことになります。 病気にならないまでも、ハウス栽培などでは水を制限して糖度を高める傾向にありますが、これは光合成に必要な水が不足するということになるため、ブドウ糖の産生量も高まりません。さらに、水が十分でないときに起こるのはカルシウム不足です。 カルシウムは植物のカラダの中に十分にあってもほとんど移動することがないミネラルと言われていますので、水の移動がないと根から入ってくることができません。 ![]() 水が不足している環境では、葉先に枯れが現れるカルシウム欠乏の症状が見られます。これは単にカルシウム不足ではなく水分不足であるため、土壌にカルシウムがあっても起こります。 ![]() さらにカルシウム不足が続くと、トマトのお尻の部分が黒く腐ってくる「尻腐れ」症状が現れます。(写真上)高糖度のトマトを作る時に水を限界まで制限するとこのような症状が現れやすく、植物へのストレスも大きい栽培方法です。 ![]() そこまでは行かなくても、何らかの原因により光合成不足によるブドウ糖不足状態で、窒素だけ十分に供給されると窒素過多の状態となり変形、空洞化、奇形果が多くなります。 気温が低い1-2月には光合成能が上がらず、しかも温度を下げたくないために換気を十分にしないとハウス内の二酸化炭素も十分な量が確保できません。そこへ水も不足してくると植物にとってブドウ糖を作り出すことは容易なことではありません。 そして、最後に光合成の時間についてですが、あまり知られていないことかも知れませんが、光合成のピークは午前中にやってきます。そして午後にはそのブドウ糖の転流が始まります。(転流は夜だけ起こると考えられていましたが) ですから、ハウス栽培で午前中に喚起がされず二酸化炭素が不足し、水も不足している場合。または換気はしたが、そのためにハウス内の温度が下がってしまった場合には、光合成のピークを最大にもってゆけません。 ![]() 実は、換気をせずにハウス内温度を下げず、二酸化炭素量を高める方法があります。それは微生物量を高めることです。微生物が多いハウスは、二酸化炭素量が多く、光合成の始まる時間に800ppm前後まで上げてくれます。写真は土作りの時には、有機物や米ぬかボカシをたっぷり入れて準備をしている様子です。 ボカシを使っている方のミニトマトが美味しいのには、こうした仕組みがあった訳です。こちらはイチゴハウスの様子。(ボカシの使い方は様々です。) 以上、2月19-21日までの三重、和歌山の勉強会のテーマと現場見学しながら感じたことでした。 勉強会に参加していただいたみなさん、ありがとうございました。
| コラム | 11:25 AM | comments (x) | trackback (x) |
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